「6万円返してお礼がしたい」 沖縄の男子高校生が飛行機代を貸してくれた恩人を捜しています


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航空券代を貸してくれた男性を捜している沖縄工業高2年の崎元颯馬さん=9日、那覇市松川の同校

 航空券を購入するためのお金を貸してくれた親切な男性にお金を返してお礼がしたい―。4月24日、与那国島でのおじの葬式に参列するため那覇空港へ向かう途中で財布をなくした沖縄工業高校2年の崎元颯馬さん(17)は、航空券の代金6万円を貸してくれた男性を捜している。「親しかったおじの納骨に立ち会えた。本当に感謝している」。崎元さんは男性と再会し、当時言葉にできなかった感謝の思いを改めて伝えたいと願っている。

 崎元さんは与那国町出身。町内であったおじの葬式に参列するため、沖縄都市モノレールの安里駅から那覇空港へと向かった。その時、財布には航空券購入に必要な6万円が入っていたという。しかし那覇空港駅に到着したところで財布がなくなっていることに気付く。車両内で動揺していると、60代か70代で体格の良い白髪の男性が声を掛けてきた。崎元さんは男性に事情を説明し、財布をなくしたことを話した。

 男性は高校や住んでいる場所、いくら必要なのかを尋ね、お金を渡そうとしたが、崎元さんはいったんは「お気持ちだけでありがたいです」と返答。しかしモノレールの発車合図と同時に男性は「こっちへ来い」と声を掛け、2人はホームへ出た。そこで男性は財布から6万円を取り出し、崎元さんへ渡したという。

 「お金を受け取った時は感情がこみ上げ、言葉にできなかった」と涙ぐみながら振り返る崎元さん。駅を離れてから、男性に名前や連絡先を尋ねていなかったことに気付いた。後日、財布は見つかったが、連絡先を聞き忘れたことを申し訳なく思っているという。

 崎元さんは男性と再会し、直接お礼を言ってお金を返したいと考えており、連絡を呼び掛けている。

 問い合わせは沖縄工業高(電話)098(832)3831。

 (下地陽南乃)