「本島で反対運動が起きないのが不思議」自衛隊先島配備で独立学会が討議 住民の自己決定権尊重を


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宮古、八重山への自衛隊配備について議論する登壇者ら=18日、宜野湾市の沖縄国際大学

 琉球民族独立総合研究学会(独立学会、ACSILs)の第12回公開シンポジウムが18日、宜野湾市の沖縄国際大で開かれた。「日米による琉球弧の再軍備化に抗して」をテーマに宮古、八重山への自衛隊配備の問題を討議した。石垣市議会で自衛隊配備の賛否を問う住民投票条例案が否決されたことを巡り「住民の自己決定権を尊重すべきだ」などの意見があった。

 「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」(宮古島市)の楚南有香子共同代表は、自衛隊が沖縄本島にもミサイルを配備することを挙げ「本島で反対運動が起きないのが不思議だ。逃げ場がないのは同じで間違いなく標的になる。危機感を共有し、戦場にしてはならないと声を上げてほしい」と訴えた。

 石垣市住民投票を求める会の金城龍太郎代表は、有権者の約4割をの署名が集まった運動を「政治が持つ権力とお金に太刀打ちできるのは愛とユーモアだ。人間には間違いもあり、完全ではない。さまざまな色を取り入れた運動を目指した」と振り返った。

 高良沙哉沖縄大教授は自衛隊について「治安出動も任務だ。日本にとって沖縄が植民地なら、植民地を鎮圧するための治安出動も考えられる」と指摘した。「沖縄に自衛力行使が向く危険もある」と懸念した。

 司法書士の安里長従さんは国連のグテレス事務総長が昨年発表した「軍縮アジェンダ」を挙げ「事務総長を沖縄に呼び、日・米・中・ロの4カ国で島嶼(とうしょ)防衛の空白を埋めずに平和の緩衝地帯をつくり、世界の軍縮につなげると発信する。そんなアイデアを沖縄から出すといい」と提案した。