沖縄県が叙勲候補を国に未提出 申請書類の作成遅れ 締め切り後に提出も不可に 県が会見で謝罪


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叙勲の申請手続きが遅れ、県内文化関係者の受章機会を喪失させたことについて謝罪する県文化観光スポーツ部の新垣健一部長(中央)、山城貴子文化スポーツ統括監(右)、新垣雅寛文化振興課長=21日、那覇市の県庁

 県文化観光スポーツ部の新垣健一部長らは21日、那覇市の県庁で記者会見を開き、2019年春と秋の叙勲で、文化関係の県内候補者を文化庁に未提出だったと発表した。新垣部長らによると、候補者が所属する団体への調査などを要する申請書類の作成が遅れ、提出期限を過ぎた後に文化庁へ申請書類を提出したために、受け付けられなかったとした。春・秋の叙勲ともに文化関係の申請は県文化振興課が担当している。同部によると、担当者は4月上旬になるまで班長や課長ら上司へ申請の遅れについて報告していなかったという。

 同部によると、春の叙勲の候補者推薦で、県文化振興課の担当者は文化庁へ出す申請書類の作成が遅れた。18年8月8日の締め切り期限を約5カ月過ぎた19年1月8日に提出したものの、提出期限を過ぎているとして文化庁から認められなかった。秋の叙勲は19年2月8日の提出期限を1カ月半を過ぎて約3月下旬に提出した。文化庁からは、提出期限を過ぎているとして4月5日に受け付けられないとの連絡があった。

 新垣部長は知事コメントを読み上げ「本県の文化芸術の振興に長年、ご尽力された文化関係者の受章機会の喪失を招いたことを重く受け止め、関係者の皆様に深くおわび申し上げる。二度とこのような事案が起こることがないよう全力で取り組む」と述べた。【琉球新報電子版】