石垣陸自配備で重機使用の工事再開 市民批判「アセス必要」 防衛局「カンムリワシの営巣確認できた」


この記事を書いた人 大森 茂夫
重機使用の工事を再開した駐屯地建設現場=25日午前、石垣市(石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会提供)

 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、沖縄防衛局は25日、国指定特別天然記念物カンムリワシの営巣活動が確認されたとして一時中断していた重機使用の工事を再開した。配備予定地ではダンプが砂利を搬入したり、パワーショベルが作業したりする様子が確認された。同日には伊波洋一参院議員が現場を視察し、防衛省職員からカンムリワシの保全対策などについて説明を受けた。

 石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会メンバーと予定地に近接する高台から現場を視察した伊波氏は、4~7月とされるカンムリワシの営巣期間外の調査に基づき、3月に着工した防衛省の姿勢を批判。「営巣期間は工事を中止し、環境影響評価(アセスメント)をきちんとするべきだと防衛省職員には伝えた」とした。

 市民連絡会共同代表の上原秀政さん(64)は「アセス逃れのために3月に着工を強行した後に営巣が見つかった。アセスを実施しないから後から後から問題が出てくる。住民の理解を得るというのならば、アセスは必要だ」と指摘した。

 現場を訪れた配備予定地に近い川原公民館長の具志堅正さん(57)は「工事再開はやはり早い。(防衛局が再開の根拠とした)島外有識者だけでなく、地元専門家の意見を聞いて初めて影響があるかどうか分かると思う。防衛局の主張をすんなり受け入れた市長にも、カンムリワシのことをもっと慎重に考えてほしい」と求めた。