沖縄県が新たに国提訴を検討 辺野古新基地建設阻止で来月議会に提出へ


この記事を書いた人 大森 茂夫
埋め立て工事が続くキャンプ・シュワブ沿岸部=3月、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の決定への対抗措置で、県は新たな訴訟を起こす案を県議会6月定例会に提出することを検討している。議会の議決を得て県が提訴すれば、県と政府の対立が再び法廷闘争に入る。既に始まっている総務省第三者委員会・国地方係争処理委員会の審査とは別の法的措置だ。

 関係者によると、県幹部は6月3日までに方針を正式決定し、4日に県議会与党に説明するとみられる。与党との調整が付けば、提訴に必要な議決と訴訟費用を盛り込んだ補正予算案が18日から始まる予定の定例会に提出される見通しだ。

 石井啓一国交相は4月、承認撤回の取り消しを決めた。それによって埋め立て承認が復活したとして政府は辺野古の工事を続けている。県が取り得る対抗策は(1)地方自治法に基づいて国地方係争処理委員会に審査を申し出て不服があれば高裁に提訴する(2)行政事件訴訟法に基づいて那覇地裁に取り消しを求めて提訴する―の二つがあった。

 (1)は既に始まっており、近く判断が出る見込みだ。今回検討を進める(2)については法律で国交相の決定から6カ月以内と期限が決まっている。