「戦争は突然ではなく、じわじわやって来る」 沖縄・平和祈念資料館の子ども企画で”沖縄戦前”1944年の展示会 7月10日まで


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沖縄戦につながるさまざまな出来事を分かりやすく解説している子ども企画展=27日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館「ひろば・ゆいまーる」

 【糸満】糸満市摩文仁の県平和祈念資料館1階の「ひろば・ゆいまーる」で27日、子ども企画展「1944年、沖縄戦前夜―75年前、その時、何が…」が始まった。今年は沖縄県への日本軍配備や学童疎開、対馬丸の遭難、10・10空襲など沖縄戦につながるさまざまな出来事が75年を迎えることから、1944年にスポットを当てた。太平洋戦争の概要から45年4月1日の米軍の沖縄本島上陸までを分かりやすく解説している。7月10日まで。

 企画展は小学校高学年以上の児童生徒が関心を持って見学できるよう写真や体験者のイラスト、証言、当時の新聞、雑誌など約90点を展示し、説明にはルビを振っている。疎開先での様子など、戦時中の子どもたちの状況も紹介している。

 県平和祈念資料館学芸員の平田守さんは「来年は沖縄戦から75年を迎えるが、沖縄県が戦争の嵐の中に巻き込まれていく前の年に焦点を当てた。戦争は突然ではなく、じわじわとやって来ることを子どもたちに伝えたい」と語り、多くの参観を呼び掛けた。

 企画展は夏休みの後9月3日~10月31日にも開催される。午前9時~午後5時。問い合わせは県平和祈念資料館(電話)098(997)3844。