「県民はどれだけ涙を流せばいいのか」 米兵女性殺害事件で450人が追悼・抗議集会 米兵事件の再発防止を訴え 


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
米海軍兵による女性殺害事件の緊急追悼・抗議集会で、亡くなった女性に黙とうをささげる参加者ら=2日、北谷町桑江のちゃたんニライセンターカナイホール

 【北谷】4月に沖縄県北谷町で発生した米海軍兵による女性殺害事件を受け、市民団体や地域の有志による「緊急追悼・抗議集会」が2日、同町のちゃたんニライセンターカナイホールで開かれた。集会で採択された抗議声明では、事件は県内に暮らす全ての人に起こり得るものだったとし、繰り返される米兵らによる事件事故への抗議と再発防止を強く訴えた。参加した約450人は黒色の衣服や物を身に着け、被害女性への深い哀悼の意を示した。

 被害女性を悼み、冒頭で1分間の黙とうをささげた。玉城デニー知事や野国昌春北谷町長らが登壇し、米軍の綱紀粛正や再発防止を訴えたほか、基地問題は全ての国民の問題だとし、日米地位協定の抜本的見直しを求めた。玉城知事は「基地負担による県民の犠牲は絶対に許されない」と強調した。

 登壇者らは2016年にうるま市で起きた元米海兵隊員の軍属による女性暴行殺人事件にも触れ、「悲しみが癒えない中で再び事件が起きた。命と暮らしが脅かされる状態がいつまで続くのか」「県民はどれだけの涙を流せばいいのか」と声を上げた。米兵らの勤務時間外の行動を規制する「リバティー制度」の大幅緩和後に、事故が相次いでいることについても怒りの声が上がった。

 集会ではそのほか、「米軍人・軍属による事件被害者の会」の村上有慶さん、「チーム緑ヶ丘1207」の宮城智子会長らによるリレートークもあった。

 事件は4月13日、北谷町桑江のアパートで在沖海兵隊所属の米海軍3等兵曹(32)が住人女性(44)を殺害し、その後に自殺した。女性は米海軍3等兵曹から付きまといや暴力を受けていた。