桟橋として利用する予定なかったK8護岸でも土砂陸揚げ 防衛局が表明 沖縄県、留意事項違反と指摘


この記事を書いた人 大森 茂夫

 米軍普天間飛行場移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は3日、辺野古崎付近で建設中の護岸「K8」を埋め立て用土砂の陸揚げに使うと初めて表明した。3日に那覇市で開いた辺野古移設に関する環境監視等委員会で委員に説明し、事後の会見で公表した。県は桟橋として利用する予定がなかった護岸を陸揚げに使うことは、埋め立て承認をした際の約束(留意事項)に違反しているとして問題視している。

 防衛局は現在、埋め立て予定地北側のK9護岸のみを使って埋め立て用土砂を陸揚げしている。

 防衛局は作業加速に向けて陸揚げ場所を増やすため、先にサンゴを移植する予定を変えて護岸造成に着工した。完成すればサンゴ群に約50メートルの距離まで迫る。その護岸近くを土砂運搬船が出入りを繰り返すことになる。防衛局は海底を巻き上げないよう浅瀬では船を自走させず、ワイヤーロープで引っ張ると説明している。

 防衛局によると、環境監視等委員会の委員からはこの対応を問題視する意見は出なかった。防衛局は「一日も早い普天間飛行場の移設・返還を実現するために辺野古移設に向けた作業を少しでも進めたい」と説明した。予定外使用との指摘については「問題ない」と述べた。

 新たに建設中の護岸を陸揚げに使うことについて、3日現在、県に連絡はない。