「伊江島で当然受け入れるべき」は心外 島袋秀幸村長が不快感 米軍パラシュート降下訓練


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島袋秀幸村長

 【伊江】日米特別行動委員会(SACO)でパラシュート降下訓練実施が合意されている米軍伊江島補助飛行場を巡り、島袋秀幸村長は12日、受け入れる訓練の範囲について「SACO最終合意に基づき読谷補助飛行場で実施されていた陸上のパラシュート降下訓練のみ容認しており、海域等の訓練は含まない」との認識を改めて示した。うるま市の津堅島訓練場水域の訓練は対象外とした上で「(訓練は)伊江島で当然、との論調は心外」と述べた。同日の村議会6月定例会の一般質問で、名嘉實村議の質問に答えた。

 パラシュート降下訓練は1996年のSACO最終報告で読谷補助飛行場から伊江島補助飛行場への移転が合意されたが、日米合同委員会が2007年、嘉手納基地について「例外的な場合に限って使用する」と追加で確認している。

 米軍は5月21日、嘉手納基地内で今年3回目の降下訓練を強行した。岩屋毅防衛相は同日、嘉手納での訓練は例外的な場合に限られるとして「米側に対し伊江島飛行場で実施するよう求めていく」と述べた。

 一方、津堅沖では5月だけで4回実施されるなど訓練の常態化が指摘されている。

 島袋村長は「嘉手納の例外的訓練は陸域で、海域は想定されていない。津堅沖の訓練は(県基地対策課が発行している)『沖縄の米軍基地』にあるように、米軍が使用条件で降下訓練できるようになっている」との認識を示した。

 その上で「村としてはSACOの中でもろ手を挙げて受け入れを表明した訳ではない。沖縄の基地の整理縮小、基地負担軽減につながる一つの契機として、苦渋の中で受け入れた経緯がある。最近の『(訓練を)伊江島で当然受け入れるべき』という論調は非常に心外で、遺憾に思っている」と述べた。