【中城】戦時中に親元を離れて疎開した児童らの生活を紹介する「中城の学童疎開展」が5日、沖縄県中城村安里の護佐丸歴史資料図書館3階で始まった。7月1日まで。同日、学童疎開を体験した村民たちを招いたギャラリートークも開かれた。体験者らは「やーさん ひーさん しからーさん(ひもじい、寒い、寂しい)」と体験した疎開先での苦労を語った。
沖縄戦で中城村では約160人の児童らが疎開先に送り出された。ギャラリートークに招かれた同村当間の比嘉英信さん(83)と奥間の島袋絹江さん(85)は熊本県の山鹿や日奈久にそれぞれ疎開。食糧難で農作業を手伝い、食料を分けてもらった経験などを話した。
島袋さんの疎開先では赤痢が発生し、友人らが隔離されたという。「引率の先生に励まされながらなんとか過ごせた」と涙する場面もあった。比嘉さんは、飢えをしのぐために畑から食べ物を取ったことを振り返り「人は極限状態になると何でもする。人をそういう状態にする戦争は本当に恐ろしい」と訴えた。
疎開展は中城村が2016~21年度までの6年計画で進めている沖縄戦調査事業の一環。熊本での児童らの生活をまとめている。入場無料。問い合わせは中城村教育委員会生涯学習課(電話)098(895)5700。