パラシュート降下訓練で小学5年生の女児が死亡した事件を知っていますか?


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隆子ちゃん圧殺事件の展示を見る来館者=14日、読谷村座喜味のユンタンザミュージアム

 【読谷】怒りと悲しみの連鎖を断ち切りたい―。沖縄県読谷村座喜味のユンタンザミュージアムでは、慰霊の日に合わせた特別展「隆子ちゃん圧殺事件―パラシュート演習阻止の闘い、飛行場用地返還へ―」を開催している。1965年6月11日、当時小学5年生だった棚原隆子ちゃんが米軍のパラシュート降下訓練でトレーラーの下敷きとなり亡くなった事件を軸に、戦後、村ぐるみで取り組んだ同村の基地返還運動などを振り返る。25日まで。

1979年に村楚辺の新興住宅に落下したパラシュートの実物も

 土地の大部分を接収され、米軍基地あるが故の事件や事故に苦しめられてきた村の困難と、村民が総決起し読谷補助飛行場の返還を勝ち取った闘いの歴史を村内外に広く伝えようと、村教育委員会が企画した。隆子ちゃん事件の詳細や村民大会の様子などを当時の新聞記事や村広報誌と合わせて紹介するほか、79年に村楚辺の新興住宅に落下した重さ7キロの鉄製の重りをつけたパラシュートの実物なども展示している。

 読谷村では隆子ちゃん事件が契機となり所有権回復地主会が結成され、本格的な反基地運動が始まった経緯がある。

 村史編集室の豊田純志さんは「普天間か辺野古か、沖縄の基地被害の『たらい回し』は今も変わらない。特別展が基地のない平和な沖縄を考える一助になってほしい」と述べた。

 入場無料(入館料は300円)。詳細はユンタンザミュージアム(電話)098(958)3141。