台風で中止も報酬を支払わず… 政府の沖縄・地域安全パトロール


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
青色灯を点け、パトロールに出発する「沖縄・地域安全パトロール隊」の車両=19日夕、那覇市おもろまち

 米軍属による女性殺害事件を受けて始まった「沖縄・地域安全パトロール隊」(通称・青パト)事業を巡り、巡回業務を担う南日本警備保障(沖縄市)が2018年度に台風で業務が中止された2日分の給与を当時の従業員に支払わなかった一方で、沖縄総合事務局はその分の事業費を同社に支払っていたことが21日までに分かった。

 2日分の人件費は概算約100万円に上る。18年7月1、20の両日、台風で巡回業務が中止されたが沖縄総合事務局は契約で定められた分として両日の代金を支払った。一方で社側は給与を支払わなかった。

 当時の従業員によると、結果的に業務がなくなっても待機していた分は給与を支払うべきだと追及したところ、会社側は「総合事務局にもその2日分の代金は請求しないので、従業員にも支払えない」と事実と異なる説明をしたという。

 南日本警備保障の島袋哲安社長は本紙の取材に「そのような説明はしていない」と否定した。

 元従業員の男性は「業務がなく従業員に社は支払わないにもかかわらず総合事務局が支払いを続ければ、社がもうかるだけだ。税金の無駄遣いではないか」と疑問を呈した。

 当時、隊員1人の日当は1万150円だった。南日本警備保障の巡回業務は50人体制で実施するため、2日分の人件費は約100万円と概算される。