木の上の軍隊 きょう沖縄初公演 出演者らが伊江で祈り


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 【伊江】劇団こまつ座の舞台「木の上の軍隊」(故井上ひさし原案)の沖縄初公演に伴い、出演者や劇団関係者6人が25日に伊江村を訪れた。物語の題材になった日本兵2人が2年間を過ごしたニーバンガズィマールなどを回った。山西惇さんと松下洸平さん、普天間かおりさん、有働皆美さん(ヴィオラ)は木に手を合わせ、沖縄戦の史実継承と平和の尊さを発信していくと誓った。

日本兵2人が過ごしたニーバンガズィマールに向かって手を合わせる「木の上の軍隊」出演者ら。手前から松下洸平さん、普天間かおりさん、山西惇さん、有働皆美さん=25日午前、伊江村西江前

 「木の上の軍隊」は、2009年に91歳で亡くなった佐次田秀順さんらの体験を基にしている。上官役の山西さん、新兵役の松下さんは木に登り、佐次田さんらの当時の心境に思いをはせていた。ニーバンガズィマールの所有者で村教育委員の宮城孝雄さんが6人を案内し、ゆかりの地を巡った。

普天間さんは「多くの人が戦争によって伊江島、沖縄で亡くなった。今回の公演に特別な思いがある。佐次田さんや井上さんの遺志を継ぎ、平和の尊さについて伝えたい」と木を見詰めた。

 こまつ座は26日午後7時から沖縄市民会館大ホールで、琉球新報社と共催で舞台「木の上の軍隊」を公演する。開場は午後6時。全席完売となっている。当日は混雑も予想されるため、公共交通の利用や乗り合わせなどを呼び掛けている。