石垣市議会で自主解散動議 陸上自衛隊の配備是非「選挙で」 与党市議が提案したが、要件満たさず不成立


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市議会を自主解散する決議案を採決する石垣市議会の議員ら=28日、市議会

 【石垣】石垣市議会(平良秀之議長)は28日、市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を市議選で問うべきだとして、同日に与党議員が提案した自主解散に関する決議案を否決した。自主解散の採決が行われるのは極めて異例。与党の一部と野党が賛成したが与党の自民・公明会派が反対し、規定の成立要件を満たさず成立しなかった。

 市議会は17日の定例会開会日に、陸自配備の賛否を問う住民投票条例案を賛成少数で否決した。野党側は一般質問で、住民投票実施の必要性や配備計画の問題点を指摘してきた。

 28日に一般質問に立った与党の仲間均氏が配備賛成の立場から「住民投票はあまりにも無責任だ。議会を解散して、(配備の)是非を問う選挙をして、この席に戻れば良いと思う」として動議で解散を提案した。その後、議会運営委員会が即日採決を決め、採決した。

 自主解散の成立は「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」の規定に基づき、4分の3以上の出席議員のうち5分の4以上の同意が要件となる。28日の市議会(定数22)の出席議員21人のうち賛成12人、反対9人で成立要件の17人を満たさなかった。

 議会後の取材に仲間氏は「住民にげたを預けるのではなく、議会人として責任を持ちたかった。(否決は)残念でしょうがない」と述べた。