嘉手納議会に環境委 県内初 騒音、汚染水調査へ


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嘉手納基地への立入調査を求める決議を全会一致で可決する嘉手納町議会の議員ら=2日、嘉手納町

 【嘉手納】沖縄県の嘉手納町議会(徳里直樹議長)は2日の臨時会で「環境対策調査特別委員会」を設置することを盛り込んだ決議を全会一致で合意した。同委員会は同日付で発足、委員長には田崎博美議員が就任した。環境問題に特化した特別委員会が設置されるのは、県内市町村議会で初めて。河川や井戸水の水質汚染や、米軍機の排ガスが原因とみられる悪臭など、米軍基地を巡る諸問題だけでなく、ごみ処理などについても協議する。深刻化する基地由来の環境問題に、町議会も町と一丸となって本腰で取り組む格好だ。

 町議会は同日、PFOSなど有機フッ素化合物による水質汚染に関し、嘉手納基地への立入調査を求める決議と意見書、比謝川および町内全井戸の水質調査を求める意見書をそれぞれ全会一致で可決した。東アジア最大級の米空軍基地を抱える嘉手納町では長年、昼夜を問わず上空を飛び交う戦闘機の爆音や、米軍機の排ガスによるとみられる悪臭などが周辺住民の生活環境を脅かすとして問題視されてきた。それに加え、農業用水や生活用水として市民に親しまれてきた井戸水や河川から有機フッ素化合物が高濃度で検出されるなど新たな課題も浮上、早期解決が求められる環境問題が後を絶たない。

 特別委員会の設置を提起し、委員長に就いた田崎議員は、これまで環境問題に関連する事項の調査所管委員会は文教厚生常任委員会だったが、米軍基地を抱える嘉手納町では環境対策に特化し、より多角的な視点での調査が必要だと強調。最優先事項は情報を開示することで住民の不安を払拭(ふっしょく)することと、汚染源など問題の根幹を特定することだとし「県や町、三連協(嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会)と連携して対策を考えたい」と意気込んだ。