「県民の声 聞く人に入れたい」 基地、経済、福祉、改憲…有権者、思い1票に託す


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参院選がスタート。行き交う車両に手を振る各候補者の支持者=4日、中城村内

 改選1人区で与野党の候補者が真正面で激突し、激しい前哨戦を繰り広げてきた沖縄選挙区。沖縄、日本の将来への思いを込めた1票を投じる有権者からは、過重な負担が強いられている基地問題、好調な観光業を引っ張る経済政策については期待と不安の声が入り交じる。また、安倍晋三首相が意欲を示す憲法9条への自衛隊明記といった改憲の是非、地域振興、福祉の充実など関心は多岐にわたる。

 那覇市で飲食店を営む上原之映さん(41)=糸満市=は、辺野古新基地などの基地問題や消費税の増税は反対の声が多いにもかかわらず強行されているとして「問題の根っこは一緒だと思う。市民の声を聞き、憲法、民主主義を守る人に政治家になってほしい」と訴えた。

 無職の藤原政勝さん(79)=南風原町=は「今の沖縄の観光は那覇や離島など観光資源がある所だけ盛り上がっていると感じる」とし、「農村地域などにも光を当て、県全体が観光地になるように県民と一緒に汗をかいて行動してくれるような人を応援したい」と話した。

 主婦の仲村智子さん(62)=宜野湾市=は米軍普天間飛行場問題の解決を訴える。「騒音や米軍機が落ちないかいつも恐怖心がある。早めに撤去してほしい。子どもからお年寄りまでが安心して住みやすい環境にしてほしい」と候補者に求めた。

 自営業の當間均さん(58)=名護市=は「地場産業が育つ環境づくりに尽力してほしい」とした上で、辺野古新基地建設については「新基地はいらないというのが大前提だ。子や孫に負の遺産を残してはならない」と話した。

 会社員の平良克史さん(35)=宮古島市=は「沖縄全体の問題として基地問題も重要だが、宮古や石垣などの離島振興にも取り組んでほしい」とし、「特に国政選挙では離島の話が目立たないように感じるので、しっかりと離島にも意識を向けている候補者に投票したい」と話した。

 竹富町・西表島の玉元志帆さん(46)=農業=は「多くの面で本島や石垣島でできていることが、西表島でできるようになるまでに長いタイムラグがある。特に福祉的な部分で感じる。そのタイムラグを解消、短縮できるように力を尽くしてほしい」と求めた。