知事「地方自治の理念照らし判断を」 辺野古、国提訴で会見


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国土交通大臣の裁決の決定取り消しを求め、福岡高裁那覇支部に提訴したことを受けて県庁で記者会見する玉城デニー知事(右から2人目)=17日夕、那覇市の県庁

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立て承認の撤回処分を巡り、国土交通大臣の裁決の決定取り消しを求め、福岡高裁那覇支部に提訴したことについて玉城デニー知事は17日、県庁で記者会見した。玉城知事は、沖縄防衛局長が行政不服審査法を使って審査を請求したことについて「国が国の審査を請求するのは何かおかしいという声に裁判所は声に耳を傾け、地方自治の理念に照らし、国と地方のあるべき姿を示す判断をしていただきたい」と強く求めた。
 また「沖縄防衛局と国土交通大臣は内閣の一致した方針で辺野古埋め立て工事を進める政府の機関であり、国土交通大臣による裁決は、あたかも選手と審判を同じ人物が兼ねているようなものだ。まさしく自作自演、結論ありきで公正さに欠けていると言わざるを得ない」と指摘した。
 同席した謝花喜一郎副知事も「地方自治体が行った行政処分に対して同じ内閣の身内で、いわゆる決定処分を取り消すことができるというのが常態化すると地方自治は崩壊する」との懸念を示した。
 訴訟によって政府との対話が難しくなるのではないかという記者団からの質問に対し、玉城知事は「対話の必要性、重要性は繰り返し述べてきている通りで、それはこれからも変わることはない」と述べた。
 さらに玉城知事は「過去2回の知事選挙を含む一連の選挙、県民投票で明確に示された普天間飛行場の辺野古移設に反対するとの民意に添い、全身全霊で県民の強い思いに応えていく」と語った。【琉球新報電子版】