「われわれは諦めない」 辺野古反対の民意無視に市民怒り 阻止に向け決意


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埋め立て区域内に敷かれた足場固めとみられる鉄板=22日午前、名護市辺野古(沖縄ドローンプロジェクト提供)

 【辺野古問題取材班】21日投開票の参院選で名護市辺野古の新基地建設反対を掲げた高良鉄美さん(65)が沖縄選挙区で初当選し一夜明けた22日、政府は新基地建設の工事を継続した。新基地反対の民意を省みることなく工事を強行する政府に対し、抗議する市民らは「民意は出ている」「海を壊すな」などと怒りの声を上げた。

 辺野古崎突端部付近の埋め立て区域内には、大型車両が通行するための足場固めとみられる鉄板が設置されている様子も確認された。ドローンによる基地の監視を続ける市民団体「沖縄ドローンプロジェクト」が小型無人機で撮影した。

 防衛局は辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前や辺野古へと土砂を搬出する名護市安和、本部町塩川の3カ所で建築資材の搬入・搬出作業を進めた。

 安和と塩川では午前7時から作業が始まった。安和では午後6時までに大型トラック507台が琉球セメント敷地内に土砂を運び入れ、留め置いた。

 ゲート前では「子どもたちの未来に基地はいらない」などと書かれたプラカードを掲げて抗議する市民を機動隊が排除した。3回に分けて車両95台が基地内へと資材を搬入した。辺野古の海上では、台風対策で開放されていた浮具を作業員がつなぎ直す様子が確認された。

 シュワブ前で「われわれは決して諦めない」と声を上げ、座り込む市民を鼓舞していた県統一連の瀬長和男事務局長(56)は政府の強行を「予想していた」と冷静に受け止めた。

 その上で「政府は結果に関係なく工事を進めると言うが、私たちの反対の民意は変わらない。政府が諦めるまで現場で声を上げ続けていく」と力を込めた。