売れない芸人が家族を養うためごみ回収 そこから見えたことは?「人間模様」ツイッターで反響呼ぶ


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「ゴミ清掃員の日常」の一コマ。作画は妻の友紀さんが手掛けている(©滝沢家/講談社)

 【東京】売れない芸人が家族を養うため、ごみ清掃員に―。お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん(42)=東京都=がごみ回収にいそしむ日々をつづったツイッターの投稿が話題だ。体験をまとめたコミックエッセー「ゴミ清掃員の日常」を5月に出版し、今月27日にはトークイベントで沖縄を訪れる。滝沢さんは「何気なく捨てるごみの先にいる清掃員に目を向け、ごみに興味を持ってほしい」と話す。

 滝沢さんは36歳を過ぎて都内でごみ回収のアルバイトを始めた。妻の友紀さんが妊娠し、15年間続けてきたお笑いだけでは生活が厳しかったことが理由だった。朝5時に起き、日中は清掃車の後ろを次の回収場所へとひたすら走り、夜は漫才をこなす日々。

 ごみ回収の日常をツイッターで発信するうちに、分別の豆知識や清掃員の人間模様をつづった内容が反響を呼び拡散。

 生活のため始めたはずのごみ回収が、今では奥深さにひかれライフワークになった。

「ごみを見ると、捨てた人の生活やその地域の品格が分かる」と話す滝沢秀一さん=21日、東京都内

 「ごみは人々の生活の縮図」というのが持論だ。高級住宅地で出るごみには健康グッズやテニスボールなどがあるが、そうでない地域はお酒の一升瓶やたばこの吸い殻が多い傾向がある。ラベルやキャップが取られ中身も洗われたペットボトルごみに思わず見とれる一方、不燃ごみの袋から包丁が飛び出してくるなどエピソードに事欠かない。

 人が増えればごみも増える。人口や観光客数が拡大する沖縄も例外ではなく、ごみに関する問題も多様だが、身近でできることは何か。「何かを買う時に、捨てる時を考えてほしい。すぐ処分するなら、結局お金でごみを買うのと同じだと思うんですね」

 27日のイベントは、サンエー浦添西海岸パルコシティの「HMV&BOOKS OKINAWA」で午後1時、3時からの2回開催。滝沢さんの「ゴミ清掃員の日常」の購入者が対象。

 問い合わせは(電話)098(943)0540。
 (當山幸都)

(©滝沢家/講談社)
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(©滝沢家/講談社)
(©滝沢家/講談社)
(©滝沢家/講談社)
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