父やきょうだいが亡くなった地に…墓参団、ダバオへ出発 28日に慰霊追悼式


この記事を書いた人 問山栄恵
結団式でダバオへの思いを語る県ダバオ会の山入端嘉弘会長(左)と墓参団=26日午前、那覇空港

  太平洋戦争中にフィリピンで亡くなった人々を慰霊する「第55回ダバオ慰霊と交流の旅墓参団」(県ダバオ会主催)が26日、フィリピン・ミンダナオ島のダバオへ向けて出発した。同日午前、那覇空港で結団式が開かれた。今回の墓参には子や孫を含めた16~90歳の106人が参加、28日には「沖縄の塔」で慰霊追悼式が開かれる。
  
  慰霊祭は沖縄ツーリストが参加者を募集し、現地との調整などをしてきた。しかし遺族の高齢化に伴い参加人数が年々減少していることから、旅行社による大規模な募集は今回で最後となるという。結団式で県ダバオ会の山入端嘉弘会長は「ダバオは第二のふるさとだ。今回が最後ではなく、来年以降も希望者で墓参を続ける」と語った。
  
  フィリピンで生まれ、戦時中に父と妹を亡くした新垣勇誠さん(78)=南風原町=は妻のエミ子さん(72)と初めて墓参団に参加した。新垣さんは「いつか行きたいと思っていたが、タイミングが合わなかった。父が亡くなったダバオの地で、『孫やひ孫も生まれ、元気ですよ』と報告したい」と語った。