健診で異常所見、沖縄県最悪66% 8年連続全国ワースト


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 沖縄労働局(福味恵局長)は30日、2018年の県内事業場(労働者50人以上)の定期健康診断で何らかの異常の所見があった人の割合を示す有所見率が66.7%だったと発表した。8年連続で全国最悪となり、09年の統計開始以来、県内では最も高い値を記録した。18年の数値は全国平均55.5%と11.2ポイントの開きがあり、血中脂質や肝機能など生活習慣病の要因とされる項目で有所見率が高い傾向にある。県が目指す健康長寿が危機的状況にあることが改めて浮き彫りになった。専門家は、県や民間企業を挙げて生活習慣を改善する取り組みの必要性を指摘している。

 県内では生活習慣病の要因とされる項目で有所見率が高いのは全国と同様だが、数値は全国平均を大きく引き離している。

 健診項目別でみると、有所見率が最も高いのは血中脂質で40.9%(全国平均31.8%)。肝機能22.4%(同15.5%)と血圧22.4%(同16.0%)が続き、いずれも近年割合が高い傾向で推移している。業種別にみると、高い順に運輸交通業が73.7%、建設業が73.3%、製造業が73.0%と続いた。

 労働安全衛生規則により、労働者50人以上の事業場は定期健康診断結果の報告書を労働基準監督署に提出することが定められている。今回、18年に報告のあった労働者50人以上の1070事業場の受診者11万4271人のうち7万6189人の健康診断項目に異常の所見があった。

 沖縄労働局は今後、健康経営の実践企業の増加や、職場の健康づくりを支援する沖縄産業保健総合支援センターの利用を呼び掛けるなど対策に取り組む。

 同センターの青木一雄所長は、有所見率が改善しない理由について、幼少期から欧米型の食生活が定着し自家用車に頼る習慣などを挙げ「運動習慣の見直しや就学時から生活習慣について考える取り組みが重要だ」と指摘した。