「私たちの命が奪われかねない」 CH53飛行強行 住民は怒り


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 【中部】「人権がないがしろにされている」「機体が落ちてくるのは時間の問題だ」。米軍のCH53E大型輸送ヘリコプターが飛行を再開した7日、普天間飛行場周辺に住む人々は一斉に反発した。

 2017年に同型機がを落下させた普天間第二小学校に子どもを通わせる呉屋達巳さん(44)は「米軍の説明は不十分で不信感を抱かざるを得ない。犠牲者が出るまで落下事故が続くのではないかと思える」と指摘する。普天間基地周辺で暮らす住民として「(墜落や落下物の)不安は基地がなくなるまで続くだろう」と語った。

 「憲法で保障されているはずの人権が、ここではないがしろにされている」と憤るのは、17年に部品が落下した緑ヶ丘保育園(市野嵩)の神谷武宏園長(57)。CH53の機体が老朽化していることを挙げて「上空を飛ぶヘリからキュルキュルとおかしな音が聞こえることがある。恐ろしい状況が許されているのを変えなければならない」と強調した。

 第2次普天間爆音訴訟原告の赤嶺和伸さん(65)は「今回は落下地点が本当に海上なのか詳しく分かっていない。落下事故が続く中で飛行が続けば、機体そのものが落ちてくるのは時間の問題だ」と話す。「CH53の飛行を止めなければ、私たちの命が奪われかねない」と語った。