玉城知事、10月に訪米の意向 米国防権限法案の協議念頭に辺野古見直し直訴 工事強行の安倍政権に「沖縄シカト」と批判


この記事を書いた人 問山栄恵
講演で、基地問題を自分事として話し合ってほしいと訴える玉城デニー知事=8日午後、大阪市大正区の大阪沖縄会館

  【大阪】名護市辺野古の新基地建設問題など沖縄の基地負担について考えてもらおうと、玉城デニー知事のトークキャラバンが8日午後、大阪市大正区の大阪沖縄会館で催された。新基地建設の賛否が問われた昨年9月の知事選など各選挙や県民投票を通じて反対の民意が繰り返し示されているにもかかわらず工事を強行する政府に対し、玉城知事は「政府による沖縄シカトだ」と批判した。300人(主催者発表)の来場者で満員となった会場に「基地問題を自分事として話し合い、それぞれができる事を沖縄県と協力してやってほしい」と訴えた。
  
  「年内」としていた訪米についても、10月にも訪米する考えを初めて明らかにした。米国の国防予算の大枠を定める国防権限法案の上院案に在沖海兵隊移転の再調査の必要性が盛り込まれ、法案の一本化に向け上下両院の議員による協議が今月から始まる。このことを念頭に、辺野古移設の見直しを法案に盛り込むよう働き掛ける考えを示した。
  
  来場者から基地引き取り運動への認識を聞かれた玉城知事は「本当に基地を引き取れるんだろうか、ということを自分たちのこととして考える入り口になる」と強調した。ただ、2013年に橋下徹元大阪市長がオスプレイの訓練の一部を大阪府の八尾空港で受け入れると提案したが、実現していない現状に触れ、「実現できていたら、橋下さんは県民に感謝されたんじゃないかと思うが、簡単な話ではない」と話した。「沖縄県民も(県外に)引き取ってほしいと望んでいるわけではない。(望むことは)どうしたら基地に頼らない平和な日本を作れるのか、議論して政府、政治に要求することだ。思考停止が一番危ない」と訴えた。
 
  トークキャラバンに合わせ、大阪各地で社会問題に取り組む市民らによるトークセッションも行われた。
  
  キャラバンは東京、名古屋に続く3回目の開催となった。【琉球新報電子版】