元副知事で弁護士の与世田兼稔さん(69)の小説「疑惑の事故 日米地位協定の死角」が20日、ボーダーインクから発刊された。与世田さんとボーダーインクの新城和博さんが19日、本の紹介で琉球新報社を訪れた。
日米地位協定で公務中の事故の第一次裁判権が日本にないことを知っている米軍基地内の病院勤務の医師(軍属)が起こした交通事故を巡る法廷ミステリー小説。与世田さんは「偶然の事故に見せかけられ、被害者が死亡しても5年の免許停止で『無罪放免』となる死角が日米地位協定にはある」と指摘。米軍人・軍属起訴についての密約の問題もちりばめたという。
新城さんは「沖縄を舞台にしたエンターテインメントミステリーが話題だが、地元の人が書いた小説は少ない。『日米地位協定入門編』ともいえる内容になっているので、県外の人にも読んでほしい」と話した。
県内書店や、東京のジュンク堂でも販売予定。税別1500円。