読谷トリイに整備施設 米軍特殊部隊建設 機能強化か、武器備蓄も


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
特殊作戦部隊用の戦術装備品整備複合施設の建設が予定されている米陸軍トリイ通信施設=24日、読谷村楚辺のトリイ通信施設入り口

 【読谷】米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)が駐屯する沖縄県読谷村の米陸軍トリイ通信施設の敷地内に、部隊が使用する車両や武器を整備するための施設の建設が進められていることが24日、分かった。インド太平洋地域での軍事作戦を実施する施設として、グリーンベレーの機能がさらに強化される可能性がある。

 事業計画は米特殊作戦軍の2018米会計年度軍事建設事業計画に記されていた。施設は特殊作戦部隊用の「戦術装備品整備複合施設」(TEMF)。トラックの整備ができる整備用駐車場や、武器や部品の備蓄施設などを備え、少なくとも25年間は利用できる設計だ。事業計画によると、現行施設は1953年に建てられたもので、陸上部隊や電気整備部隊の拡大を支援するには小さ過ぎるため、より広い施設が必要だと説明している。機能性にも多くの課題があると指摘。複合施設の役割については「あらゆる戦争を想定した断続的作戦や訓練、部隊展開の支援をすること」だとしている。

 政府の入札公示サイトによると建設事業は3月25日付で、豊見城市に支店を構える大手電気工事会社(本社は福岡市)が18億9000万円で落札。読谷村の担当者によると、8月27日にあったトリイ通信施設、村、沖縄防衛局、周辺自治会による四者協議会で、米軍から複合施設と類推される新たな施設建設について説明があった。ただ、米軍は「車両整備施設」だとし、武器の整備や保管機能については触れなかったという。

 防衛局は本紙の取材に対し、事実関係を米軍へ照会したが「運用に関連する情報で、保全上の理由から答えられないと回答があった」とし、防衛局としての見解も差し控えた。 (当銘千絵)