民間港使用 自粛求めず 防衛相、四軍調整官と面談


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 29日に来県した河野太郎防衛相は30日、米軍キャンプ瑞慶覧で在沖米軍トップのステーシー・クラーディー在沖米四軍調整官と面談し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を着実に実施する方針を伝えた。防衛省によると、河野氏が日米同盟強化に向けて努力したいと述べ、クラーディー四軍調整官は同意した。県側から要請された民間港の使用自粛は求めなかった。

 河野氏は東日本大震災での米軍による被災地救援活動「トモダチ作戦」を例に挙げ「日米同盟がいかに有益かを(国民に)よく理解してもらう必要がある」と話した。その上で「地域の安全保障環境についても、分かりやすい説明で国民に理解してもらうことが必要だ」と強調した。

 名護市のキャンプ・シュワブで米軍の廃弾処理による爆発音が度々発生する問題について河野氏は市から対処を要請されたことを受け、クラーディー四軍調整官に対し「事前に情報を提供してくれると、地元への影響が軽減される」と話した。嘉手納基地で海軍駐機場の移転後も米軍が旧駐機場を使用し続けている問題にも言及したが「日本側の予算で移転をしたので、合意に基づく運用が求められる」と述べるにとどめた。

 クラーディー四軍調整官は「地元への影響を極小化する努力を引き続きしたい」と答えた。

 30分の会談は非公開で、終了後に伊藤茂樹報道官が記者団に概要を説明した。河野氏は30日午前、自衛隊ヘリで新基地建設現場を視察し、担当者から工事の状況について説明を受けた。