採用試験履歴書に縁故者の記入要求/沖縄金融公庫

 
  沖縄振興開発金融公庫(八木橋惇夫理事長)が職員採用試験の指定履歴書で、採用の判断に必要のない縁故者の存在の有無と氏名を記入させる項目を設けていたことが分かった。事実を確認した厚生労働省は10日、「(採用は)公正な能力と適性で判断すべきだ」と改善を指導し、これを受け沖縄公庫は「(項目を)なくす方向で検討したい」と述べ、同項目の撤回に向け検討する方向だ。人権問題に詳しい県内の関係者は、プライバシーに踏み込む問題ととらえ、「職員の人権感覚が疑われる」と指摘している。
  指定履歴書はエントリーシートと呼ばれ、沖縄公庫へ就職希望する場合に必要な提出書類。問題になっているのは「公庫内に知り合いがいますか?」「はい"と答えた方はその方のお名前をご記入ください」の2項目で、採用と関係のない情報の記入を求めている。民間企業の採用試験では見られるが、特殊法人の政府系金融機関の職員採用試験で縁故者の有無を尋ねる質問は、「採用へ何らかの影響があるのでは」と疑念を抱かざるを得ない事態を招いている。
  沖縄公庫は、数年前からこの履歴書を使用しており、理由については、「広く本人の情報を集めたかった。採用への影響はない」としている。
  この問題を指摘した西原町の男性は、「地縁血縁が密接な沖縄だけに、この質問がどう使われるのか、学生は余計な神経を遣う。必要のない項目と答えているが、意図を感じる」と問題視している。
  厚生労働省公正採用選考係は「普通に考えたら必要がない項目だ。公正な能力と適性で採用を判断すべきだ。民間の事業所へもそのように指導している」とし、沖縄公庫へ改善を求めた。
  沖縄人権協会の永吉盛元事務局長は「大問題だ。プライバシーという観念がない。権力が私生活に土足で踏み込むことは慎むべきだ。私企業でもやってはいけないと思うが、公的機関が平気でやるとは、職員の人権感覚が疑われる」と指摘している。
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