旧海軍壕など文化庁が初調査/近代の軍事遺跡

 
  幕末から第2次世界大戦終結ごろまでの近代遺跡を調査している文化庁は15日までに、長野県の松代大本営予定地地下壕(ごう)や県内の南風原陸軍病院壕、旧海軍司令部壕の2カ所など軍事に関する遺跡50カ所を詳細調査の対象に選んだ。国が近代の軍事遺跡を詳細調査するのは初めて。
  調査対象はほかに函館戦争関係遺跡(北海道)や西南戦争関係遺跡(熊本、大分、宮崎各県)など29都道府県に存在する遺跡。全国約550カ所から建築学的・歴史学的な価値を専門家が判断、調査が必要としたものを絞り込んだ。
  2003年度にかけて地元の専門家に遺跡の由来や文化的価値、保存状況についての調査を依頼、最終的に報告書にまとめる。調査対象については、沖縄の戦跡など地元での調査を受けた追加もあり得るとしている。
  都市の再開発などで消滅の危機にある近代遺跡は少なくないとされるが、これまで国の史跡指定が少ないなど保護があまり進んでいない。そのため同庁は全国的な保存状況の把握が必要と、1996年から鉱業や社会運動など11分野についての調査を始めた。
  対象となった遺跡のうち、地権者の同意を得るなど環境整備ができて地元自治体から申請が出されたものは、文化審議会の答申を受けて史跡指定される。
  県内の2つの壕が詳細調査の対象になったことに、県教育庁文化課の日越国昭課長は「国から調査依頼はまだ来ていない」としながら、「県は国の補助を受け1998年から戦争遺跡詳細分布調査を実施しており、これまでに南部の367カ所、中部181カ所を終えた。旧軍のみならず県や市町村、民間のかかわった遺跡も含めこれから絞り込み、県の戦争遺跡に指定していきたい」と話している。