マンボウ、開館前に全滅/美ら海水族館

 
  【本部】本部町の国営沖縄記念公園の「沖縄美ら海水族館」の目玉の一つとして、搬入されていたマンボウ10匹が昨年11月のオープンまでにすべて死んでいたことが、4日までに分かった。飼育担当者は、寄生虫の爆発的な大量発生が原因とみている。事実を公表しなかったことについて、水族館側は「問い合わせがあれば説明はしており、隠す意図はなかった。魚が死ぬ例も多く、魚の搬入段階で特にマンボウだけ公表する準備はなかった」と説明している。
  マンボウはフグの仲間で、卵を産む魚で最大約3メートル、1トンまで成長し、魚類では最大。世界中の暖かい海に広く生育するが、沖縄では定置網に掛かったり、幼魚の捕獲例は少ないという。搬入されたマンボウは大分県のマリーンパレス水族館の協力で、同県沖で捕獲された。昨年2月にマンボウでは国内初の航空機輸送で沖縄まで運び、本部町沖のいけすで飼育していた。4月から順次、美ら海水族館の大水槽に移された。大きいもので体長77センチメートル、体重22キロだったが、7月までに全部死んだ。
  同水族館では新しい水槽に多くの種類の魚を入れる段階で、せん毛虫の一種でキロドネラの仲間と思われる寄生虫が大量に発生したのが原因とみている。飼育担当者は「いろいろと手を尽くしたが、だめだった」と話した。
  マンボウに限らず、寄生虫や水槽などにぶつかった際のけがなどで死ぬ魚も多く、生存率も100%から数%までさまざまという。マンボウは水槽のガラスにぶつかってけがをすることが多いが、同水族館の水槽は大きいため、けがに関しての心配はなかった。
  水族館の戸田実魚類係長は「マンボウは水槽の形状とか水質とか環境による飼い方が確立されていない。10匹程度の搬入では無理という声もあった」とするが、「マンボウに限らず、ジンベイザメやマンタなど飼育に挑戦する魚がほとんど。確立された魚だけなら限られたものしか展示できない」と飼育に挑戦した理由を説明した。
 
 水質の変化にマンボウ敏感/鴨川シーワールド
  マンボウの飼育で国内最長記録を持つのは、千葉県の鴨川シーワールドの「クーキー」で、1981年12月から1990年3月まで生存した。現在は、公開している3匹を含めた7匹を飼育している。
  鴨川シーワールドでマンボウの飼育にも長年かかわっている金銅義隆副館長は「開館時の70年からマンボウの飼育を始めたが、年間を通しての飼育に初めて成功したのは79年」と説明。「マンボウは、水の汚れや温度など水質の変化に敏感な上、消化機能も弱く、飼育方法が確立できているとは言えない」と、飼育の難しさを強調した。