【交差点】天使のいる島


社会
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 先日、孫たちに会うために沖縄から両親がシンガポールを訪れた。これまでは、いつも口論ばかりであった父とも今回は不思議と落ち着いた話し合いができ、幸せな気持ちになれた。

どこの家庭でもそうだろうが、特に父親とは仲良くしたいと感じながらも実際に会って話をしていると、イライラを抑えられなくなり、つい口げんかをしてしまうことが多いのではないだろうか。肉親なので性格が似ていることやお互いに理解してほしい、されたいという気持ちが強いためだろう。
 父も年を取り、私も2児の父親となったことも影響しているのだろうが、自分の両親、妻、長男、次男と家族全員で一緒に過ごす時間は本当に幸せで、特に子供たちの笑顔が周りの皆の心を癒やしてくれたのが、大きな理由であろう。長男や次男の笑顔を見て思った。「天使は本当に存在するんだ」と。子供は人々を幸せにできる天使である。日本は少子化になり、社会が停滞し、すさんだ事件が多く発生している。日本だけでなく、シンガポールや他のアジアでも少子高齢化は急速に進んでいて、将来大きな問題になり、その対応が緊急課題となっている。日本で一番出生率が高く子供が多い沖縄は天使が多くいる島。いつまでも幸せな島であってほしい。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)