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県酪農組合、飼料自給率向上へ 遊休地にソルガム栽培

 国際的な飼料価格の高騰を受け、県酪農農業協同組合(新里重夫組合長)は17日までに、飼料自給率向上のための実証実験に取り組むことを決めた。最終的には本島中北部の遊休農地を借り上げイネ科の1年草・ソルガムを栽培し、発酵させた粗飼料を作る予定。

 県農林水産部も「何らかの形で支援したい」と前向きな姿勢を示しており、遊休農地借り上げの仲介や粗飼料作りの技術指導などをする予定。県酪は8月15日までに計画を県に提出する。県酪によると、県内の乳用牛農家の粗飼料自給率は約1%とほとんどを輸入に頼っているのが現状となっている。
 乳用牛の餌には牧草を発酵させた粗飼料と、トウモロコシなどを混ぜた栄養価の高い配合飼料を使う。現在、配合飼料をはじめ飼料価格は世界的な高騰が続いている。同組合によると、酪農農家の生産コストは2004年から07年までに54%上昇した。
 一方、乳用牛は乳を生産するために大量の栄養分を摂取する必要があり、配合飼料の給餌を減らすことは困難。そのため、価格相場に変動されない自給飼料の確保が急務となっている。
 県酪の計画案ではまず、各農家が敷地の空きスペースにソルガムを栽培。県酪が(もしくは県酪が事業委託する企業が)ソルガムを集めて粗飼料を作り、農家に販売する。
 効率性を考慮すれば広大な土地でソルガムを大量に生産した方がコストが抑えられるため、最終的には大規模な遊休農地が多い本島北部で遊休農地を探して栽培する。個人の酪農家が遊休農地を借り上げて飼料作物を栽培することはこれまでもあったが、農地の地主はトラブルを不安視して見知らぬ個人には土地を貸したがらない人も多かった。今回、県酪名義で土地を借り上げることにする。
 ただ、事業はこれから実証実験に入る段階で、輸入飼料に比べて農家がどれほどのコスト削減が実現できるかは未知数だ。原油価格も高騰しており運搬費もかさむことなどから、県酪は慎重に実証実験を進めて事業としての本格導入が可能か検討する。