【ペルー】「源流」の歴史・文化紹介 我那覇リカルド宗秀さん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
本を出版した我那覇リカルド宗秀さん=4日、ペルーの日秘文化会館内・中庭

 「礼節を尊ぶ島・沖縄」のタイトルで沖縄の歴史や文化を紹介したスペイン語版の本が、名護市系3世の我那覇リカルド宗秀さんの手でこのほど自費出版された。

 我那覇さんは2006年の第4回世界のウチナーンチュ大会で初めて沖縄を訪問。その際、名護市が主催した歓迎会で予想もしていなかった親類と対面し感激。祖父母の生まれ島・沖縄の温かい心に触れ、うれしさのあまり涙がとめどなく流れたという。
 翌日、祖母が沖縄で暮らしていたという屋部の実家に案内してもらったが、今は廃屋となった家の前にたたずんで周囲を見回していると、自然に体の中の血液が温かく体中を駆け巡り、自分のアイデンティティーの原点を垣間見ることができたという。
 滞在中、県内の世界遺産や南部の平和の礎(いしじ)などを訪れ、少しでも多く沖縄を吸収して帰国しようと決意した。
 帰国後、英語版の沖縄関連の歴史書や文化を紹介している書物を片っ端から読み、沖縄を理解したと言う。そして、今回の本の出版にこぎつけた。
 我那覇さんは現在、リマ市内のサン・ボルハ地区でサウナ、レストラン、カジノを経営する共同グループの総支配人として活躍する一方、自動車部品の輸入販売にも携わっている経営マンでもある。
 今後、機会を得て、4世、5世の青少年に向けて沖縄の文化や歴史を紹介したいという。
(赤嶺光弘通信員)