【交差点】沖縄からの語学留学生


社会
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 私が発足させた大連大学のエイサーグループに沖縄からの語学留学生、照屋君がいる。中国人の学生15人と一緒に毎週1回大学の稽古場(けいこば)でエイサーの練習をしている。

 照屋君は北谷高校から島根大学に進学し、縁あって双方の大学の語学留学生の第1号として大連大学中国語学科にやって来た。中国語学科の授業は、宿題の量が多く授業の進度も速い。予習復習や宿題をしている間に、真夜中を迎えることもしばしばである。緊張とテストの中で、外国での生活になじみ、語学を習得していく。私も大連に来た当初は語学留学だった。快適なキャンパスライフとは言えないのが現実である。
 6月、照屋君は大連市内の三線グループと合流して、中国人の友人の結婚式に男子4人で「島人ぬ宝」を舞った。中国式の結婚式は私の知る限り参列者の出し物はほとんどがカラオケである。沖縄エイサーのコスチュームをまとい太鼓を打ち鳴らす彼ら4人の舞は異彩を放っていたに違いない。
 照屋君は1年間の留学期間中に学内のイベントや結婚式で4回のステージを経験したことになる。大連沖縄県人会の送別会で「思い出をたくさんつくりました。忘れません」と言った。7月、中国語学科の修了証書を手に、社会人の第一歩を踏む。
 私は今後、各種のイベントの主催者と掛け合って、大学のエイサーグループと三線グループの発表の場を設けて、大連でエイサーを紹介していくつもりでいる。
 (池宮城克子・新ウチナー民間大使、観光情報雑誌編集者)