経済

黒麹と黒カビ「別種」 ゲノム比較で判明、風味向上に活用も

 泡盛の醸造に使う黒麹(こうじ)菌と一般的な黒カビ菌のゲノム配列の間に、比較的大きな違いがあることが県やトロピカルテクノセンター(TTC)などが共同で行う「沖縄先端ゲノムプロジェクト」の研究で分かった。

黒麹菌と黒カビ菌を同一とみる欧米諸国の研究に対する反証として注目されている。また、同じ黒麹菌でも、配列に違いが出る領域があることも判明。TTCは、風味の向上など産業的な活用ができるとして、研究を継続している。
 黒麹菌と黒カビ菌は、形態や一部の遺伝子断片の比較から、欧米諸国では同一種とみる報告がある。
 しかし、黒麹菌は醸造に適した特徴を数多く有することから、国内の研究者は黒カビ菌との違いを調べていた。
 研究は、県の委託を受けた産業技術総合研究所、科学技術振興センター、県工業技術センター、TTCが実施。解析スピードが飛躍的に向上したゲノム解析機「次世代シーケンサー」を使用し、県内で唯一黒麹菌を個人製造している石川種麹店の黒麹菌2種類と、菌株保存機関が保有する黒麹菌と黒カビ菌のゲノム配列全体を比較した。
 研究の結果、黒麹菌同士のゲノム配列には高い類似性があり、黒麹菌と黒カビ菌は類似性が低いことが分かった。
 研究結果は3月の日本農芸化学会で報告した。
 同じ学会でTTCは、一種類の黒麹菌のみで醸造した泡盛より、2種類の菌を混ぜて作った泡盛の方が香味成分の濃度が高くなるという研究も報告。複数の菌を混ぜる伝統的な泡盛醸造法が、香味の増大に有効であると裏付けた。