社会

在日米軍犯罪、8割が不起訴 「特別扱い」浮き彫り

 【東京】在日米軍人らが公務外で起こした犯罪(刑法犯)の不起訴率が2001年から08年の平均で83%に上ることが15日、日本平和委員会のまとめで明らかになった。起訴率は毎年わずか十数%にとどまり、日本国内で米軍犯罪が「特別扱い」されている実態が浮き彫りになった。

 在日米軍の犯罪の扱いに関しては、日本側が第一次裁判権を放棄するとした「密約」の存在も明らかにもなっているが、同委の千坂純事務局長は「米兵を日本でできるだけ裁かないようにしようとする密約が数字に表れている」と指摘している。
 日本平和委員会は、情報公開請求で法務省が公開した「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」に記載されている起訴人員数と不起訴人員数を基にまとめた。
 罪種別の起訴率は、「殺人」が75%、「強盗・同致死傷」は71・80%と比較的高いものの、「強姦・同致死傷」25・80%、「住居侵入」17・80%、「自動車による過失致死傷」16・60%、「強制わいせつ・同致死傷」10・50%にそれぞれとどまっている。
 年別の不起訴率は、01年85・60%、02年84・40%、03年82・60%、04年80・30%、05年85・30%、06年71・90%、07年86・80%、08年90・50%。01年―08年までの起訴人数は計645人、不起訴人数は3184人だった。
 07年の日本人被疑者の起訴率は「殺人」52・80%、「強盗・同致死傷」73・50%、「強姦・同致死傷」56・10%、「住居侵入」46・40%、「自動車による過失致死傷」10%、「強制わいせつ・同致死傷」57・50%となっている。

◆低い起訴率、言及避ける 中曽根外相

 【東京】中曽根弘文外相は15日の閣議後会見で、在日米軍犯罪の不起訴率が8割に上ることが明らかになったことについて「法務省が公開した資料をまだ承知していない。外務省は今国会で在日米軍犯罪の受理人員と起訴人員の資料を提出している。(法務省が今回提出したものは)それとは数字がちょっと違うところもあるのかなと思うので、調べたい」と述べ、低い起訴率ついて言及を避けた。
 第一次裁判権放棄の密約の存在については「秘密に合意していたということはない」と否定した。