人事・訃報

佐次田秀順さん死去 終戦知らず2年樹上に 体験談、絵本にも

佐次田秀順さん

 【うるま】沖縄戦の終結を知らずに約2年間伊江島のガジュマルの木の上で暮らし、戦後は戦争体験を子どもたちに語り継いできた佐次田秀順さん=うるま市石川1の22の1=が11日午後3時38分、敗血症のため、うるま市の与勝病院で死去した。91歳。13日に石川葬斎場で告別式が開かれ、約800人が佐次田さんの冥福を祈った。

 伊江村からも大城勝正村長はじめ多くの知人から弔電が寄せられた。
 佐次田さんは「戦友の霊を慰めるのは生き残った者の務め」と、一昨年まで伊江村の慰霊祭に欠かさず参列し、小学校で戦争体験を語ってきた。体験談は絵本となり、児童らが舞台で演じるなど平和教育にもつながった。
 拾骨では右太ももの辺りから、戦闘で受けた真ちゅう製と思われる銃弾も見つかった。長男勉さん(69)は「(父は)冬や労働の後には片足を引きずっていた。60年余、おやじを苦しめた銃弾の塊から解放されたが、亡くなって初めて戦争の遺物から解放されるということは残酷だ」と直径1センチほどの塊に目を落とし「子どもらに『軍隊では平和は守れない、戦争は人を殺すこと』と平和の尊さを語ってきた」と父の訴えを振り返った。