地域

わき水の知識深める 北中城「水源地フォーラム」

わき水のメカニズムなどについての発表や意見が交わされた「水源地フォーラム」=北中城村荻道の環境教育施設「ぬちゆるやー」

 【北中城】「平成の名水百選」に選ばれている北中城村の「荻道大城湧水群」を通して水環境について考える「水源地フォーラム―水はどこから来るの?」(おきなわ環境塾主催)が20日、同村荻道の環境教育施設「ぬちゆるやー」で開かれた。村内外から約30人が集まり、わき水のメカニズムや大切さについて知識を深めた。

 フォーラムでは地質、水利関係に詳しい遠座(おんざ)昭建設技術研究所九州支社地圏環境室長、ラジオ番組などで県内外のわき水情報を取材し発信している、ぐしともこさんが発表した。
 遠座さんは荻道、大城の水を通す琉球石灰岩の分布する谷間部分に湧水群が集中していると説明する一方、水源が雨だけであることに加えて石灰岩分布が狭いために「地下水は少ない」と指摘。
 わき水の量が少ないと水質悪化が懸念されるとして、「わき水を守るには雨水を石灰岩に効率よく導くことが必要だ」と述べ、緑化による保水力向上などで湧水量の減少や水質悪化を防止する重要性を訴えた。
 ぐしさんはラジオ番組で10年間、県内各地のわき水を取材した経験を基に、「県内には600から1千のわき水があるのではないか」と推測。戦後の開発や米軍基地として土地の接収などで利用する機会は減少する一方で、農業用水や儀式などでいまだに地域住民に欠かせない場所であることを指摘して、住民が憩える癒やしのある環境づくりを念願した。
 また、進行役を務めたおきなわ環境塾の後藤道雄塾長は湧水群の環境を守るために「名水百選の森」創出で保水力の回復や各家庭に雨水貯留槽の設置、生命や自然を意識した環境教育などを提案し、「天から降ってきた水をきちんと地面に落ちて循環させる仕組みを考えていきたい」と話した。