地域

“恩人”ガジュマルに合掌 終戦知らず樹上生活の佐次田さん遺族

秀順さんが2年間生活したガジュマルを訪れた佐次田家の人たち=伊江村西江前の「ニーバンガズィマール」

 【伊江】沖縄戦の激戦地となった伊江島で、1945年から47年までの約2年間、終戦を知らずに島内のガジュマルの上で逃亡生活を送り、ことしの6月11日に亡くなった故佐次田秀順さん=うるま市石川=の遺族がこのほど、伊江村を訪れ、生活した「ニーバンガズィマール」などを参拝した。

 長男の勉さんを含む子どもや孫など24人の一行は秀順さんが苦難の樹木生活を送った村西江前のガジュマルを訪れ、手を合わせた。
 今も変わらず大きく根付くガジュマルを前に、勉さんは「恩人となったガジュマルにみんなでお礼をすることができた」と語った。
 その後一行は、ガジュマルの所有者で、長年秀順さんと親交のあった宮城光一さんや戦時中お世話になった人たちを訪ねた。秀順さんの妻の千代さんと子どもたちは「村の人材育成に役立ててほしい」と村人材育成会に寄付をした。
 戦死者のみ霊を慰める平和祈願祭が毎年4月21日に芳魂之塔で行われており、秀順さんは「戦友たちのみ霊を慰めるのは生き残った者の務め」と、千代さんと一緒に51年から一度も欠かすことなく一昨年まで参列し続けた。
 戦後は子どもたちに戦争体験を語り継ぎ「平和が一番」と訴えた。秀順さんの体験は児童劇となり、本人の証言を基にDVD「ガジュマルは生きている」が4年前に完成。県内の学校で平和学習に活用されている。
 一行は芳魂之塔や城山(ぐすくやま)などゆかりの地を回り、故人をしのんだ。
(金城幸人通信員)