政治

認識に差 理解進まず 無防備宣言、那覇市議会否決

「那覇市無防備平和の街づくり条例」制定を求めて意見陳述する元ひめゆり学徒の池間美代子さん=13日、那覇市議会本会議場

 市民1万2172の署名により直接請求された「那覇市無防備平和の街づくり条例」制定は、12、13の両日に開かれた那覇市議会1月臨時議会で、賛成3、反対36という賛成少数で否決された。請求代表者は「憲法9条に息を吹き込む運動」などと主張してきたが、賛成した社社連合を除き、唯一の革新政党会派の日本共産党は「那覇市が戦場になることを想定した宣言は憲法9条改悪と同じ議論となる」と反対した。

共産党は全国的に同様の趣旨で無防備宣言に反対の姿勢を示している。請求代表者にとっては平和の実現を目指した条例制定請求だったが、手法や解釈、憲法9条の認識が異なり、社社連合以外の議員の賛同は得られない結果となった。

 これまで審議されてきた28自治体中、2自治体を除き市長意見は制定に反対で、主な理由は「防衛は、自治体ではなく国の管轄」という趣旨だった。翁長雄志市長は反対意見を示したものの「国管轄」の論拠を使わず「武力紛争時が前提の国際条約を根拠とする条例は、憲法の理念に相いれない」とする憲法論を用い「相手の土俵に乗った」(野党市議)形で反対理由を示した。保守系の翁長市長の意見と日本共産党会派の反対討論内容がくしくも重なる結果となった。
 社社連合は採決前日の11日、2時間半に及ぶ会派内会議を開き、会派としての賛成を決めた。会議の中では賛成、退場、反対の三つの選択肢があったという。「各論の部分で疑問に思うところもあった」(社社連合市議)と採決時の態度を決めかねていた。
 署名を集めた「戦争はイヤです! なは市民の会」は議会終了後、委員会への付託がなかったことなどから「十分な審議がされていない」とする抗議声明を発表した。一方、同会内からも「議員への内容の周知が足りていない」「反対討論で指摘があったところを詰めないと制定は難しい」と指摘の声が上がっている。同会は、今後も県内各市町村で条例制定請求の運動を続けていくとしているが、議会が超党派で支持できる内容に詰めていく作業や議員への内容周知徹底などが課題として残った。(当銘寿夫)