政治

辺野古強行は「民意軽視」 名護市長選で米有力紙が寄稿文

 26日付の米有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、稲嶺進氏が当選した名護市長選挙の結果は、2006年に日米両政府が合意した現行案反対派の勝利を示すもので、米政府は日米関係を停滞させる現行計画への固執をやめるとともに代替移設地の検討を始めるべきだとする米評論家トビアス・ハリス氏の寄稿文を掲載した。

 ハリス氏は、MSNBCやCNNなど米大手テレビ局のニュース番組などで日米同盟に関するコメンテーターとして出演している日米関係専門の評論家。
 ハリス氏は、名護市長選での反対派の勝利は、県外移設を約束しながら計画の見直しに難航している鳩山政権と、圧力をかけることで解決を試みようとしたオバマ政権の敗北だと指摘。
 名護市長選は単なる一つの地方都市選挙ではなく、日米同盟が地元の課題と直結している地域におけるものだとし、米政府が引き続き現行計画を迫る場合には、日本政府に民意の軽視を促すことにつながると警鐘を鳴らした。
 米政府が現行計画の推進を継続する場合、これまで米軍基地の過重負担を強いられてきた沖縄の現状の把握と最も影響を受けるのは沖縄県民だという認識が不可欠だとし、現行計画の実施を要求する場合には、米政府も沖縄に対して責任を負うということを考慮すべきだと主張。
 鳩山政権が5月末までに結論を出すまでの間、オバマ政権は現行計画が日米関係を停滞させるに値するものかどうかの再考期間に当てるべきとの論を展開した。
 ハリス氏は、日本の戦後をこれまで支配してきた自民党から政権を受け継いだ民主党は、日米同盟に異議を唱えているのではなく、民主党主導による新たな日米関係像を模索していると指摘。
 自民党がこれまで国民よりも米国の利益を優先させた関係を重視してきた結果、両国の関係は対等性を失ったとし、新たな民主主義を望む国民の願いを反映させるためにも、核密約問題の解明と現行計画の見直しが進められていると説明した。
 ハリス氏は「両国の官僚が同盟を支配していた時代は終わった」とし、エリート官僚と民衆が相互に意思疎通を図るシステムの構築を提唱。米政府は、米軍への支援を要求する姿勢から脱却し、同盟を支えるために真に必要な要素が何かを考え、継続可能な日米同盟の基礎構築へ尽力すべきだと結んでいる。
 (平安名純代ロサンゼルス通信員)