政治

1万5000人が「ノー」 徳之島で「普天間」反対集会

 【徳之島で島袋貞治】米軍普天間飛行場の移設候補地の一つとして浮上している鹿児島県徳之島で、基地移設に反対する集会(徳之島への米軍基地移設反対協議会主催)が18日開かれた。

会場の徳之島町亀津新漁港に島内外から約1万5千人(主催者発表)が集まった。集会では島内の各種団体、各世代の代表者が登壇し「長寿、子宝、癒やしの島に米軍基地はいらない」と訴え、「徳之島への移設に断固反対する」とした決議が採択された。
 移設問題が浮上して以降、同島内で開催された反対集会は今回で3回目。3月28日に開催された前回集会の参加者4200人(主催者発表)を大きく上回った。集会では島内3町をはじめ奄美群島の自治体首長や議員の多くも出席した。
 集会後の会見で高岡秀規徳之島町長、大久幸助天城町長、大久保明伊仙町長は「島民の結束力の強さをあらためて感じた。政府は徳之島案を打診することはできないはずだと確信している」などと強調した。
 協議会は反対署名を今月末まで集め、今回の決議も含めて今後の要請行動などを検討する。3町長は集会の様子を収めた写真と反対を訴える手紙をオバマ米大統領に送付する予定だ。

◆「平和の島」渡さない/子、孫のため決意
 【徳之島で宮城隆尋】「自然と文化を子孫に残そう」「徳之島移設では沖縄も喜ばない」。鹿児島県徳之島町の亀津新漁港で18日にあった住民集会。1万5千人(主催者発表)の住民らは米軍普天間飛行場移設に反対し、島を守る決意を次々と表明した。幼い子を抱いた母親や友達同士で駆けつけた小学生、老人クラブの人々らが、登壇者の発言を真剣な表情で聞いた。発言のたびに拍手がわき起こり、指笛が響きわたった。
 オバマ米大統領に送るために書いた手紙を壇上で読み上げた中熊優妃さん=徳之島高2年、伊仙町。「平和で豊かな自然があふれる島を、わたしたちのきずなを壊さないで」と叫ぶと、多くの人がうなずき、目に涙をためて聞いていた。
 高齢者は65年前の戦争体験を振り返った。老人クラブのメンバー約100人と共に参加した池山新一さん(72)=徳之島町=は、空襲を避けて山へ逃げ、食べる物もろくになかったと振り返る。
 「基地は戦争のためにある。子孫のために反対せねばならない」と危機感を募らせた。
 1歳の娘を連れて訪れた徳之島町の永岡十郎さん(39)=会社員=と妻の宣子さん(39)は「基地のそばでは事件も起きる。子どもの時代に基地を残すことには親として反対しなければならない」と決意をかみしめるように話す。
 加納一代さん(69)=徳之島町=は徳之島が米軍統治下にあった時代を知る世代。「沖縄同様に米軍統治下で惨めな思いをした。いくら県外移設といっても、徳之島なら沖縄の人も喜ばないだろう」と話していた。

◆「どこにもいらない」沖縄出身新里さん
 集会には沖縄県出身者や沖縄での生活経験がある徳之島住民も参加した。基地沖縄の実情を知る参加者は、「どの島にも基地はいらない」と訴えた。
 伊仙町教育委員会で学芸員として働く新里亮人さん(33)=同町=は「両島は生活や文化も似ている。こんなに近しい島に移すのはおかしい」と話す。
 1996年、故郷の与那原町を離れ、熊本大で考古学を学んだ。県外で見るテレビでは連日、普天間移設問題が報じられていた。「沖縄のことを知らなかったと実感させられた」
 島々のことを学び、地域に貢献したいという思いから南西諸島全域で出土する徳之島発祥の焼き物「カムィヤキ」の研究に没頭。2004年に伊仙町に転居し、研究を続けた。
 移設反対の意思を発信したいという思いから大会に参加。「移設が必要なら海外を含めて受け入れる地域を探すべきだ」と語る。
 天城町の宮山浩さん(44)=公務員=は琉球大在学時、西原町で暮らした。「県外といっても同じ琉球列島。あの騒音を聞くのは怖い。どの島にも基地はいらない」と断言した。


1万5千人が参加した米軍普天間飛行場の移設反対集会。会場は島民で埋め尽くされた=18日午後0時半、鹿児島県徳之島町の亀津新漁港

登壇者の発言を聞く子どもたち。家族連れやスポーツクラブ、学校など多くの子どもたちが参加した=18日午前11時ごろ、鹿児島県徳之島町の亀津新漁港

1万5千人の群衆を前に「思いの強さを感じ、圧倒される」と語る新里亮人さん=18日


琉球新報