政治

辺野古沖合案を指示 平野氏、関係省に

 【東京】平野博文官房長官は、米軍普天間飛行場移設問題で現在検討中の政府案について、名護市辺野古へ移設するとした現行の日米合意案を沖合に移動させた修正案で最終的に決着を図ることを念頭に関係省に指示していたことが23日、複数の政府関係者の話で分かった。

現行案の沖合修正に受け入れ姿勢を示してきた仲井真弘多知事にも趣旨を伝え、25日の県内移設反対の県民大会に参加しないよう求めていた。ただ鳩山由紀夫首相は官房長官案に反対の姿勢を貫いており、周囲が強く現行修正案での決着を促しているという。
 関係者によると、21日に防衛省は現行案回帰について技術的な検討に入った。沖合修正幅は、かつてSACO(日米特別行動委員会)で合意した1キロ以上沖合の埋め立て案まで移動せず、500~700メートルあたりで検討しているという。
 対米交渉の行き詰まりから米側の容認取り付けを優先させた格好だが、「県外」を掲げてきた鳩山政権が、日米合意案に戻すことを検討していることに、県内外から批判が上がるのは必至だ。
 25日の県民大会後、関係閣僚との調整を経て、基本政策閣僚委員会で決定させたい考え。当面は「現行案の沖合修正案」を公にはしないもようだ。徳之島への機能分散と名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ陸上部への段階的県内移設などを挙げ、既に米側に表明した「現行案の断念」との整合性を図る見通しだ。
 だが、その後の協議の過程で、海兵隊の次期主力輸送機の垂直離着陸機MV22オスプレイの配備に合わせて、施設の位置を調整する中で計画変更させる考えとみられる。
 徳之島への機能分散は、米側が既に不可能との認識を示しており、正式に政府案として発表しても米側の反対を理由に断念にもっていく公算が大きい。
 現行案回帰をめぐっては、防衛相側近が、名護市議会がキャンプ・シュワブ陸上案に反対する意見書を可決した前後から、市議と連絡を取り合い、市議会内で日米合意の辺野古沿岸案の容認派がどれだけ残っているかを確認していた。
(滝本匠)