【アメリカ】日本庭園を贈呈 山城さんら表彰


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琉球舞踊を披露する眞境名愛子師匠(右から2人目)と琉舞道場の皆さん=1日、カリフォルニア・ステート大ドミンゲスヒルズ校

 ロサンゼルス郡ガーデナ平原に位置する広大なキャンパスを持ち、アメリカで最もダイバーシティー(雑多な人種)の学生が学んでいるといわれるカリフォルニア・ステート大ドミンゲスヒルズ校内に、ひっそりとたたずむ日本庭園がある。日系庭園業奉仕活動者と造園技術者が一緒になって同庭園を贈呈しようと思い立ち、多くの困難を克服し1978年に完成した。こうした日系人の功績をたたえようと、1日に再献呈式典が同庭園で開催された。

 セレモニーでドミンゲスヒルズ校のミルドレッド・ガルシア学長が「奉仕活動をされた方々が高齢に達したのでここに再献呈式をすることに決定した」とあいさつをした。キーノート・スピーカー(基調講演者)にエドガー・アラン・ポーミステリー短編賞受賞者のナオミ・ヒラハラ氏が「自分の父も広島から移住して庭園業をして私たち家族を養育した」と話し、当時多くの日本人アメリカ移民パイオニアがなぜ庭園業に従事したかなどの歴史の一端を解説した。
 約20人の日系ボランティアが同庭園の造園に貢献したとして表彰された。その中に故山城春雄氏の名前があった。山城さんは元北米沖縄県人会の会長を務め、造園業に従事、南カリフォルニアの公共団体に多くの日本庭園を贈呈、表彰された実績を持つ。
 そのような事実を踏まえ、同校の式典と山城氏の業績に賛同した沖縄県人会の徳永愛子副会長・芸能部長が琉球舞踊を披露した。徳永さんは南カリフォルニアで眞境名愛子琉舞道場師匠として長年にわたり、多くの門下生に琉球舞踊を教授している。また琉球筝曲興陽会北米支部長の照屋勝子さんと門下生による箏の演奏、琉球國祭り太鼓北米支部(アヤノ三浦支部長)による力強い演奏が来客を喜ばせた。
(当銘貞夫通信員)