政治

辺野古飛行経路 拡大ならアセス見直し

 【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐり、米政府側が、沖縄側への日本政府の飛行経路の説明が誤りと指摘し、実際は大幅に拡大すると主張している問題で、専門家からは米軍飛行の実態に即すれば環境影響評価(アセスメント)自体が成り立たないとの厳しい指摘が出ている。防衛省内にも米側運用を認めればアセス見直しは不可避との声も出ている。

米側の指摘は住民地域への騒音による影響回避をうたってきた辺野古への移設合意自体を根底から崩すもので、8月末の日米専門家協議の報告書での表記が焦点に急浮上している。
 沖縄大学前学長で環境アセスメント学会評議員の桜井国俊氏は「日本の説明と米軍の運用が違うので、原理的にアセスが成り立たない」と厳しく指摘。米軍が運用する基地について日本側がアセスを実施することに限界があるとした。さらに米海兵隊次期主力輸送機MV22オスプレイの配備計画でも過去にあった日本政府の“情報隠し”の体質も批判した。
 防衛省の前田哲報道官は24日の記者会見で、一般論と断った上で「周辺住宅地への騒音の影響を最小限にするとの考え方は変わっていない。米側にも配慮を求めていくのは当然」と述べ、あくまで住民への影響が小さくなる飛行経路としていることを強調した。
 飛行経路などを含む日米協議の内容については「日米合意で示された8月末に向けて検討が精力的に行われている。現時点で検討状況については差し控えたい」と話した。
 米側が日米協議で飛行経路拡大を求めていることについて岡田克也外相は24日の会見で「現時点では申し上げることはない。そういった記事は承知している」と述べるにとどめた。