政治

普天間シンポ 名護市長が日米批判 「民意無視は破綻免れない」

稲嶺名護市長のメッセージなど交え、普天間飛行場問題、東アジアの安全保障について討論した緊急シンポジウム=30日、都内の明治大学

 【東京】緊急シンポジウム「東アジアの安全保障と普天間基地問題」(主催・沖縄の「基地と行政」を考える大学人の会)が30日、都内の明治大学であった。稲嶺進名護市長が動画メッセージを寄せ、普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対姿勢を重ねて表明、日米合意推進の日米両政府の姿勢を批判した。民主党の斎藤勁国対委員長代理は沖縄の状況から県内移設は無理だと強調した。

 緊急シンポは作家の佐藤優氏や元イラン大使の孫崎享氏、凌星光福井県立大学名誉教授、桜井国俊沖縄大学教授、本間浩法政大学名誉教授らが普天間移設問題と日米同盟との関係などを論じた。
 稲嶺市長は映像で「日米は、日米合意の規定路線を遂行するというが、民意を無視した政治・行政行為は、自ら行き詰まり破綻(はたん)を免れないことを知るべきだ。普天間移設問題に翻弄(ほんろう)され続ける限り、市民が真に幸せに暮らせる本来あるべき街づくりビジョンは決して築けない」と述べた。
 佐藤氏は普天間移設で県外に受け入れの声が出ない状況から「本質は差別の構造だ」と指摘。11月の県知事選には「普天間は争点になっていない。沖縄人と沖縄人とを戦わせる疑似対立に巻き込まれてはならない」と述べ、沖縄内での対立ではなく、中央官僚など「政治エリート」への対処に知恵を絞るべきだと強調した。
 孫崎氏は尖閣諸島沖中国漁船衝突事件により米軍基地の存在が正当化されるとした米側発言を紹介。外交問題として発展させたのは、日中の「棚上げ」合意を越えて日本側が公権力を行使したために問題化させたとの分析を披露。凌氏は、米中関係で新たな枠組み構築による、沖縄の基地の中立化を提唱した。桜井氏は普天間移設の環境影響評価(アセスメント)の不備を指摘した。