政治

名護市が拒否 防衛局の辺野古現況調査

 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題に関連し、沖縄防衛局が辺野古沿岸部などで実施している「現況調査」について、名護市は30日、同局が2010年度の調査実施のために求めていた4件の申請・協議について、拒否した。親川敬副市長らが同局を訪ね、不許可・不同意とする文書を手渡した。同調査は07年度から実施されているが、市が調査を拒否したのは今回が初めて。

 稲嶺進市長が同飛行場の辺野古への移設を明確に拒否している中、移設に絡む調査を拒むことで、市の反対姿勢をより一層強く打ち出した形だ。同局が本年度調査を実施することは事実上不可能になった。拒否した理由について市は(1)代替施設建設を前提とした調査には協力できない(2)調査について市民・県民の理解が十分得られていない(3)抗議行動などにより施設の維持管理に著しい影響が及ぶ―などと説明している。
 沖縄防衛局は「市の回答については遺憾である。今後、関係部局と調整し、関係法令にのっとり、しかるべき対応を検討する」とのコメントを発表した。
 本年度、沖縄防衛局が市に許可を得て実施する予定だったのは(1)辺野古ダムの水生生物や付着藻類の調査(2)辺野古漁港内のサンゴや海藻の調査(3)大浦川のマングローブ林内の動植物調査(4)辺野古沿岸部の海底に水中ビデオカメラを設置した生物調査―。それぞれを実施するために必要な申請などを市に出していた。
 同局は6月15日に申請書などを市に提出していたが、稲嶺市長は当初から調査を認めない姿勢を示し、調整が難航していた。一方、県が権限を持つ範囲内の調査については本年度も許可されているほか、市でも島袋吉和前市長が在任していた07~09年には調査が実施されていた。

<用語>現況調査
 普天間代替施設の建設に関連し、沖縄防衛局が名護市辺野古沿岸部などで実施している生物や生態系などの調査。事業実施のために必要な環境影響評価(アセスメント)とは異なり、環境監視などの検証用として継続的なデータを取得するための調査とされる。同局は現況調査を実施しなくても、評価書の作成や事業実施に影響はないとの立場を示している。