“県民一丸”道のり険し 知事と宜野湾・名護両市長会談

安里宜野湾市長(中央)が見守る中、握手を交わす仲井真知事(右)と稲嶺名護市長=6日午後5時半すぎ、県庁

 宜野湾市の安里猛市長は就任あいさつとなる初めての知事との会談で名護市の稲嶺進市長を同席させ、知事に共同歩調を取るよう求め、米軍普天間飛行場の県内移設阻止に強い意欲を示した。両市長は知事の公約に掲げた県外移設と日米共同声明の見直しの2点で、「違いはなく、連携はできる」と踏んでいた。

 だが、知事選の対立候補だった伊波洋一前宜野湾市長の考えを踏襲し、県内移設反対を明確にする両氏と一定の距離を置きたい知事は「同床異夢の感がある」と冷や水を浴びせ、双方の思いは擦れ違った。現時点では強固な「3本の矢」で日米両政府に県外移設を求めていく方向にはならず、“県民一丸”に到達する道のりに険しさも漂った。
 両市長との会談で知事は慎重な受け答えに終始した。安里氏が「民意は県内には新基地は造れないと示した。稲嶺名護市長とともに知事をバックアップしながら頑張りたい」と述べると、知事は「選挙の最中もそういう状態だったら良かった」と皮肉交じりに答える場面もあった。
 面談後、知事周辺は「選挙で戦った相手が直後に連携を取ろうと言っても、立場がない。ノーサイドとは簡単には言えない。きょうはそういう場でもない」と強調。知事が互いの主張を「同床異夢」と表現したことについては「危険性除去などは『同床』でも、(伊波氏が主張していた)国外と県外は全然違う。特に選挙中は激論を交わしていた」と述べ、知事の立場を解説した。
 一方、稲嶺市長は「『同床異夢』という言葉が出ること自体が納得できない」と首をかしげ、県外移設を求める知事の「本気度」に不安をのぞかせた。
 両市と共同歩調が取れるかどうか、知事は意見交換を継続していく意向は示した。知事選で「県民の心を一つに」と訴え続けた仲井真知事。待ち構える日米政府との厳しい折衝を打開するには、県民世論の後押しが不可欠となる。選挙での対立を超えた一体感をどう築くか。知事の姿勢が鍵を握りそうだ。
(宮城久緒)