政治

【外交文書公開】「グアム移転可能」 67年、ライシャワー氏明言

ライシャワー氏

 【東京】1966年8月まで駐日米大使を務めていたライシャワー氏が67年4月、日本政府関係者に「沖縄の軍事施設をグアム島にそっくり移すことは理論的には可能」と述べていたことが18日公開の外交文書で明らかになった。グアム移転経費が「30億~40億ドル(当時のレートで1兆800億~1兆4400億円)」掛かると軍部が試算していたことを明らかにしている。

 日米両政府は2006年に在沖海兵隊約8千人のグアム移転を合意しているが、復帰前の60年代、既にグアムへの移転案があったことを示唆している。
 また、別の文書で米陸軍省の沖縄担当大佐が離任の際、沖縄本島の基地を西表島に移転する場合の試算を出していたことを日本政府関係者に話し、その額が「20何億ドル(同7200億円)」と明かしていたことも分かった。
 いずれも移転費用が高額との理由でラッセル上院軍事委員長をはじめとする議会の納得が得られないと評価しており、「抑止力」への影響について言及はない。
 武内龍次駐米大使が67年4月15日に作成した極秘電文によると、ライシャワー氏は米議会内に「米国の防衛努力のおかげで日本が無料の安全保障といううまい汁を吸っている」との考えがあると指摘。そのため、軍部が高額なグアム移転費を議会に伝えた場合「ラッセル上院軍事委員長のごとき超保守派たらずとも議会全体として『日本を安眠させておくためにこんな巨額を出すのは反対』という反応が非常に強いであろう」と解説している。(稲福政俊)