「辺野古」実現に疑念 米側に移設困難視の空気 合意案固執の日本

 「もともと辺野古移設が実現できるなんて思っていなかった」。昨年までオバマ政権の国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたジョーンズ氏が5日(日本時間6日未明)、下地幹郎衆議院議員ら超党派の訪米団を前に率直に語った。
 これまで強固な辺野古移設推進派だったメア前国務省日本部長も下地氏との会談で「辺野古移設は難しい」と漏らした。

 これまで米政府の日米交渉の中枢を担っていた人々が、辺野古移設を困難視する見解を、次々と表明し始めた。
 一方、ジョーンズ発言からわずか1日後の7日、沖縄を訪問した北沢俊美防衛相は仲井真弘多知事に対し「日米合意は両国の合意だ。日本政府は真剣にこれを追求していかざるを得ないという立場だ」と重ねて辺野古移設へ理解を求めた。辺野古推進と辺野古断念。日米で全く異なる見解が発信され始めている。
 キャンベル国務次官補やシファー国防次官補代理ら米政府の現職の高官は、現在も辺野古移設案が最善だと繰り返している。
 しかし、一連の訪米日程を終えた下地氏は「米国内で辺野古移設を困難視する空気が広がっている」と印象を語る。
 日本政府は、6月下旬に予定される菅直人首相の訪米前に、外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の開催を目指しているが、「辺野古が最善」と日米がこれまで一致してきたスタンスが乱れ始めている。
 辺野古移設案が、交渉関係者ですら疑念を払拭(ふっしょく)し得ない「不合理の産物」であったことをあらためて示している。
(仲井間郁江)