政治

自然環境の専門家ゼロ 泡瀬埋め立て再開

 【東京】2010年8月に内閣府が事業再開を決めた中城湾港泡瀬沖合埋め立て(東部海浜開発)事業で、内閣府が再開容認に際し参考にした9人の有識者の中に自然環境の専門家はおらず、現地を訪れた経験のある人がいないか、1人にとどまる可能性があることが11日分かった。同日の参院沖縄北方委員会で紙智子委員(共産)が明らかにした。

 東部海浜開発事業は、経済合理性を指摘された公金差し止め訴訟判決を受け、沖縄市が計画を変更。10年8月、前原誠司沖縄担当相(当時)は有識者意見を参考に、四つの条件を付け市の変更計画を認めるなど、曲折を経ている。前原大臣が判断材料の一部にした有識者の意見聴取の過程では現地視察は設定されておらず、意見の公平、客観性に疑問が生じることになる。
 内閣府は、9人の有識者の氏名や肩書について「本人の許可が得られていない」として公表していないが、財政研究者、ホテル経営者、観光・スポーツ関係者などで構成される。
 自然環境の専門家を含んでいないことについて内閣府は「再開へ向け焦点となっていたのは経済合理性。その有無の判断をするためのヒアリングだったので、自然環境の専門家は必要ないと判断した」と説明。有識者の現地視察については「有識者の1人は沖縄でも事業をしている人だが、各人に『現地に行きましたか』と確認していないので、分からない」と述べた。